投げっぱなしジャーマン

日々のことや作ったものの紹介。

サイ1匹分の重さ

今日は趣味の一つである羊毛フェルトの紹介。

東日本大震災の時、当時私は高校2年生。

沿岸住みではなかったもののライフラインが途絶えた地域に住んでおり、特にできることも無く不安なことばかり考えていた時、母が「気分転換にもなるし、ちょっと手芸でもやってみようよ」と棚の中から出してきた物が羊毛フェルトだった。

今思うと、あれはハンドメイドが趣味になる一番最初のきっかけだった。

グラグラと大きな余震が続く中で、新たな趣味を見つけるという珍しい体験だったが、気を紛らわすことができたと思う。

 

娘が生まれてから自作したメリー。一個だけお気に入りのキーホルダーを混ぜた。

あれから13年。羊毛フェルトを針で刺し固める作業中に、当時のことがふと頭に蘇ることがある。記憶と行動が結びついているような感覚。一刺し一刺し手を動かすことは、私の中では3.11を忘れないことでもあるように思う。

 

ちなみにこの写真のメリーは、グレーの物体がサイ(笑)なのだが、なぜか娘からも猫2匹からも大変人気があり、娘は小さな手で引っ張り、猫は隙をみて噛んだり爪を引っ掛けたりするものだから、1週間でバラバラになってしまい、今では姿を消している。

サイの分の重さが無くなってアンバランスに揺れるメリー。サイと同じくらいのものを気が向いた時に作ろうと思う。