投げっぱなしジャーマン

日々のことや作ったものの紹介。

サイ1匹分の重さ

今日は趣味の一つである羊毛フェルトの紹介。

東日本大震災の時、当時私は高校2年生。

沿岸住みではなかったもののライフラインが途絶えた地域に住んでおり、特にできることも無く不安なことばかり考えていた時、母が「気分転換にもなるし、ちょっと手芸でもやってみようよ」と棚の中から出してきた物が羊毛フェルトだった。

今思うと、あれはハンドメイドが趣味になる一番最初のきっかけだった。

グラグラと大きな余震が続く中で、新たな趣味を見つけるという珍しい体験だったが、気を紛らわすことができたと思う。

 

娘が生まれてから自作したメリー。一個だけお気に入りのキーホルダーを混ぜた。

あれから13年。羊毛フェルトを針で刺し固める作業中に、当時のことがふと頭に蘇ることがある。記憶と行動が結びついているような感覚。一刺し一刺し手を動かすことは、私の中では3.11を忘れないことでもあるように思う。

 

ちなみにこの写真のメリーは、グレーの物体がサイ(笑)なのだが、なぜか娘からも猫2匹からも大変人気があり、娘は小さな手で引っ張り、猫は隙をみて噛んだり爪を引っ掛けたりするものだから、1週間でバラバラになってしまい、今では姿を消している。

サイの分の重さが無くなってアンバランスに揺れるメリー。サイと同じくらいのものを気が向いた時に作ろうと思う。

 

 

百舌鳥の早贄

私の趣味は多岐にわたる。

主にインドアなものだが、イラストを描いたり、刺繍をしてみたり、粘土を捏ねて置物やブローチを作ったり、布を買ってスカートや鞄などを作ってみたり、ビーズやレジンでのアクセサリーを作ったり、写真撮影(デジタルハリネズミというトイカメラを持っている)に、消しゴムはんこ等々…。そして物作り系以外の趣味も少々。

別に多才という訳ではなくて、単にいろんなことに興味が湧くので、ちょっとずつ手をつけてるという感じだ。なのでどれも極めることはあまりなく、「個人的な趣味」という言葉がとてもしっくりくる。

 

紙粘土で張り子風に作った置物。飼い猫の抜け髭使用。

 

そんな趣味は、飽きやすい性格もあって輪廻のごとくブームが回り、さらに突然衝動に駆られるので、いつ思い立っても始められるように材料や道具は基本的に全て揃えている。(思い立った時に足りない物があってできないとすぐに興醒めしてしまう…。)

ただし何を買って置っておいたのか忘れて同じものを買ってしまうこともあるため、まるで百舌鳥の早贄の状態だと笑われたこともある。

 

一つを極めることがないのが難点だが、良いことを一つ挙げるとすれば、一から独学で学ぶことを何度も繰り返すことに慣れており、学ぶ姿勢についてはちょっとだけ自信があること。

ただし、興味のあることに限る。

 

最近ではもう少し面白いことをしてみたくて、中学からの仲良し3人組の中だけで、活動報告や近況を書いた広報誌を発行し、イラストを缶バッジにして会員証にして、時折広報誌にはハンドメイドで作った物を今月の付録として同封するということを始めた。2人とも優しい友人なので、面白がってくれている。

 

いつかハンドメイドのものを売りたいな、とも思うけれど、同じものを安定して作り続けることができないため、夢のまた夢なのだった。

 

 

 

朝夕の境界線

娘が生まれて早5か月。

現在私は育休取得中の身である。

これまで仕事をしてきたこともあり、曜日感覚や今はだいたい何時くらい、という時間の感覚は持っていたつもりだが、最近どうにも、今日は何曜日なのか、前回の授乳から何分経過したのか自信がない。(たまに今何年何月なのかも危うい)

 

そんな私とは真逆で、時計なんて見なくても時間に正確なのが、我が家の猫2匹だ。

朝4時になると目覚めて寝室のドアをバンバン叩き、朝ごはんを催促する。ついでにそのあとトイレも済ませ、空が白み始めると、いつもの定位置の棚の上に登って窓の外を見て、鳥が飛んでくるのを眺める。夕方には必ず30分前から、食器棚の上でいいお顔をして夕飯を待っている。私たち夫婦が夜更かしをしているとソワソワして、まだ寝ないの?という顔でずっと見てくる。

 

実家の猫もそうだった。

朝日が昇る少し前に、お気に入りの窓辺でゆったりとくつろぎながら外を眺めていた。彼ら夜行性の目には、夜から朝に、夕から夜になっていく様子はどのように映るのだろうかと時々考える。

実家で生活していた頃に撮影した猫。夏の明朝だったはず。

まだまだ実家の猫2匹も元気いっぱいなのだけれど、

家族が家を出たり亡くなったりして家族形態や人間の生活リズムが変わっていく中で、変わらずに自分たちの時間の感覚を持って生活しているのはすごいことだと思う。

 

ブログ名「投げっぱなしジャーマン」の通り早速取り止めのない文章になってしまったけれど、こんな感じでゆるくブログを続けていきます。